ウクライナのゼレンスキー大統領が23日、国会でオンライン演説を行い「日本国会議員の皆さま、国民の皆さまとお話しできること光栄に思います。日本が援助してくれたこと感謝します」と話した。

長袖の服を着て画面に登場した大統領は「責任のある国家が一緒に平和を守るための努力をしなければいけない」と訴えた。

その上で「ロシアは2月24日に私たちの土地に踏み込んだ。チェルノブイリ原発の核施設を戦場に変えてしまった」とロシア軍によるウクライナ侵攻の現状を説明。「チェルノブイリ原発が支配されました。事故があった原発を想像してみて下さい」と訴えた。多くの民間人が犠牲になっていることにも触れ「殺された人を葬ることもできない」などと語った。

また、演説の中では「(ロシアが)サリンなどの化学兵器を使った攻撃を準備しているという報告を受けている」と述べた。オンライン演説は12分間行われた。

◆ゼレンスキー氏の各国でのオンライン演説

英国では8日、「生きるべきか、死ぬべきか」と、英国が生んだ劇作家シェークスピアの「ハムレット」の有名な一節を引用した。

カナダでは15日、「ロシアのミサイルや戦闘機から我々の空を閉鎖することがいかに重要かを理解して欲しい」と述べ、飛行禁止区域の設定を訴えた。

米国では16日、真珠湾攻撃や米中枢同時テロに言及し、「ウクライナでは毎日同じ状況が起きている」と述べ、さらなる支援を求めた。バイデン大統領に「世界の指導者になって欲しい」と話した。

ドイツでは17日、「ウクライナは欧州と世界の価値観を守るために戦っている」。東西ドイツを隔てたベルリンの壁を念頭に、ロシアが欧州を分断するように築いた壁を打ち壊すよう呼び掛けた。

イスラエルでは20日、ロシアの侵攻をナチス・ドイツのによるユダヤ人迫害になぞらえてウクライナの支持を訴えた。ミサイル防衛システム供与や対ロ制裁強化を求めた。

イタリアでは22日、「我々は今、生き残りを飼えた瀬戸際にいる」と述べた。ロシアはウクライナを「欧州の門」と見ていると指摘し、欧州連合(EU)は当事者として対応すべきだと強調した。