在日ウクライナ人23人が、それぞれの思いを表現して反戦を訴える写真展「STAND WITH UKRAINE」が今日4日から10日まで、東京メトロ表参道駅コンコースで開催される。自主企画した写真家の宮本直孝さん(60)は3日、「深刻度がすごい。写真で伝わると思います」。ウクライナに縁は無かったが「やる価値がある」と一念発起。SNSなどで知人を通じて呼び掛け、日本から故郷を思う賛同者の輪が広がり実現した。

「やっぱり一番最初に撮影した方が印象深いです」。「STOP WAR in UKRAINE」のボードを掲げる表情が、撮影時間内で大きく変化したと言う。最初はロシアに対する怒りの表情だったが、家族のことを思い出すと「いきなり立ったまま泣いてしまって。一生懸命に涙をこらえようと…」。遠く離れた母国へのつらく苦しい心情があふれ出た。

宮本さんは、これまでも同じ場所で「ロンドンパラリンピック選手」「いい夫婦の日」「医療従事者」などをテーマに写真展を開催してきた。だが、今回は初めて、東京メトロ側から23枚中7枚を「展示不可」と判断された。「PUTIN」の言葉には「外国の大統領の名前を出して特定のメッセージを与えているため、政治的表現に捉えられる」との理由。国旗をあしらった文字やイラストも「国旗を許可なく加工している」と却下された。

「『日本ありがとう』を意味する日の丸デザインもNG。それぞれの表現、思いがあるのに。納得出来ない部分はあります」。PUTINの文字を消したり、国旗の色を変えたりした修正版での開催を決断した。被写体たちのほぼ等身大の写真で、早期停戦を訴える。【鎌田直秀】