全国の書店員が1年間に出た本の中から「一番売りたい本」を選ぶ「2022年本屋大賞」が6日、発表され、逢坂冬馬さん(36)の「同志少女よ、敵を撃て」(早川書房)が大賞を受賞した。「同志少女よ--」は凄惨(せいさん)を極めた第2次世界大戦の独ソ戦で、ドイツ軍の攻撃を受け、目の前で母親を射殺され、ただ1人生き残った少女セラフィマが女性狙撃兵として対ドイツ戦の最前線に立つ物語。逢坂さんのデビュー作で、アガサ・クリスティ賞を受賞した。

ロシア軍のウクライナ侵攻が始まった2月24日以降、「絶望の淵にいる」という逢坂さんは「セラフィマは悲嘆はしても絶望しないと思います。私も絶望することはやめ、戦争に反対し、平和構築のため努力します」と語った。副賞の10万円分の図書券について「プーチンではないロシア。反戦運動のため立ち上がったロシアの人に使わせてもらいます」と話した。