藤井聡太叡王(竜王・王位・王将・棋聖=19)が、タイトル戦初登場となる出口若武六段(27)の挑戦を受ける、将棋の第7期叡王戦5番勝負第1局(主催・不二家、日本将棋連盟、特別協賛・ひふみ、SBI証券、協賛・中部電力、豊田自動織機、豊田通商)が28日、第1局の協賛でもある東京都千代田区「江戸総鎮守 神田明神」で行われ、先手の藤井が先勝、初防衛と5冠堅持に向けて好スタートを切った。

午前9時から始まった対局は相掛かりから後手出口が先に仕掛け、いきなり苦戦を強いられた。相撲で言えばのど輪、いなしのような手でバタつかされた。4時間の持ち時間を削られ、正午の昼食休憩時にはすでに1時間59分消費(出口は59分)と、約半分を使い果たしていた。

午後1時からの再開後はお互いに長考を繰り返し、午後4時までわずか5手しか進まないスローペース。じっくり腰を据えての読み合いから、終盤力を生かした藤井が抜け出した。

本年度初対局を白星で飾った藤井は、昨年8月25日に王位戦7番勝負第5局で勝って防衛して以来、これでタイトル戦11連勝とした。また、叡王戦の先手番は初登場した昨年から4局とも制している。前期は後手番で2局落とし、最終第5局までもつれた。

6月からは永瀬拓矢王座の挑戦を受ける棋聖戦5番勝負を控えている。夏場には王位戦7番勝負もある。10~12月は竜王戦7番勝負と、叡王戦からスタートした防衛戦が4連続である。後手番の第2局(5月15日、名古屋市「名古屋東急ホテル」)で連勝できれば、防衛ロードがぐっと楽になる。