山梨県道志村のキャンプ場で19年9月に行方不明になった小倉美咲さん(9)が当時履いていた運動靴と類似した靴の左足側が29日、新たに発見された。28日に見つかった右足側と同じメーカー、色、サイズ。靴下の片方も見つかり、県警が関連を調べている。

千葉県成田市在住の母とも子さん(39)は捜索現場付近に訪れ、報道陣に対応。「美咲が履いていた靴と同じ種類だったし、サイズも同じだったので、昨夜(警察の方に)写真を見せてもらった時には『はあ~』となってショックでした」と心境を明かした。

雪深い冬を除き、月に複数回はキャンプ場や山梨県内へ、捜索や情報入手のために足を運んできた。今回の発見場所も警察やボランティアなどによる捜索が何度も行われた場所だけに「あれだけ探したし捜索していただいているのに、なんで今そこに靴があるのだろう」と戸惑いもある。美咲さん愛用の犬のぬいぐるみをギュッと握りしめ「DNA鑑定の結果も出ていないですし、娘のものと信じたくはない」。この日もキャンプを楽しむ家族連れらに捜索用チラシを配布するなど「必ず元気に戻ってくれると信じている。美咲も家に帰りたいと思っていると思うので、見つかるまで探したい」と涙を抑えきれなかった。

美咲さんが最後に目撃されたキャンプ場から約600メートルの山中にある沢の付近で、子供の頭部とみられる人骨の一部が23日に発見。28日にはその近くで右足側の靴が発見されるなど、県警による約40人態勢での捜索活動により、約2年7カ月たって相次いで慰留物が見つかっている。人骨や靴のDNA鑑定の結果が待たれる。【鎌田直秀】