ウクライナの国民的歌手チーナ・カーロリさん(37)が16日、都内の日本外国特派員協会で会見を行い、ロシアによるウクライナ侵攻の現状を訴えた。

カーロリさんは10日に初来日し、人道的危機にあるウクライナの人々の窮状を訴えるとともに、人道支援や紛争終結を求める活動を日本国内で行ってきた。15日には広島県知事を表敬訪問し、滞在最終日となるこの日は、岸田文雄首相とも面会した。

会見でカーロリさんは「まさか私たちの世代に戦争が起こることは考えてもいませんでした」と語り「ウクライナのことを忘れず支援して頂きたいと、全世界に訴えたい」。ウクライナ侵攻の現状については「1番の悲劇は子どもたちの死です」と述べ、「短い人生を閉じることになった子どもたちに、子守歌は流れない」と続けた。

カーロリさんはウクライナの子守歌「夢は窓辺をすぎて」を歌い、美声を届けた。終戦を見据えて「私たちは必ず復興させます。奇跡的な国になる。経済的にも繁栄する。ウクライナに栄光あれ」と力を込めた。

会見には、駐日ウクライナ特命全権大使のセルギー・コルスンスキー氏と、カーロリさんを日本に招いた楽天グループの三木谷浩史会長兼社長が同席した。