ヨットで世界最高齢となる単独無寄港の太平洋横断に成功した海洋冒険家堀江謙一さん(83)が5日、拠点にしている新西宮ヨットハーバー(兵庫県西宮市)で帰港セレモニーに出席した。

約1000人が出迎えた。よろけることなく地上に降り立った堀江さんの元気な姿に、会場はパッと明るくなった。

83歳での偉業達成。大きな拍手でたたえる人の中に、とりわけ大きな旗を持つ一人の女性がいた。

「これ、UW3といって、『おかえり』という意味なんです」。そう話すのは桜井加津子さん(53)。旗の種類や組み合わせによって、さまざまな意味を表すことができるのだという。

そんな桜井さんは、堀江さんの「青春まっただ中。若輩者ですが大器晩成を目指してこれからも頑張っていく」という力強いスピーチに「本当に素晴らしいと思いました。そのときが一番若いときなんだなって。いくつになっても挑戦できると感じました」と、目を輝かせた。

桜井さんは、これまで帆船のサポートをする活動を行ってきた。「コロナで訓練できない状況が続いていたので。(堀江さんの挑戦は)海に出られないという困難にぶつかっている若い人たちの希望にもなると思う」と、声を弾ませた。【竹本穂乃加】