立憲民主党の参院幹事長森裕子氏(66)と自民党新人の小林一大氏(49)の事実上の一騎打ちで、横一線の争いとなっている新潟選挙区は、麻生太郎自民党副総裁が言ったとされる「あの女」発言で、さらに熾烈(しれつ)さを増している。

森陣営の選対本部長・菊田真紀子衆院議員は「とにかく森裕子は憎たらしい。麻生さんなんて『あの女の顔はもう見たくない』。そんなひどいことを言っているんですよ。それだけ森裕子が怖い。それだけ森裕子が国会論戦で厳しい指摘をし、追及をし、不正をただしてきたからではないでしょうか」と訴える。

新潟選挙区は1人区となった16年から野党統一候補が連勝し、自民党の参院議員はゼロになった。立憲民主党が大きく後退し、代表、幹事長の辞任につながった昨年の衆院選でも新潟は野党系の4勝2敗。自民党の高鳥修一県連会長が「新潟県はどうして野党王国になってしまったんでしょうか」と嘆く野党王国だ。

今回、自民党が擁立したのは新潟大付属小、付属中、新潟高校、東大と、新潟のエリートコースの王道を進み、県議選では4期連続トップ当選の県連政調会長小林氏。「新潟県連のエース。今勝たないで、いつ勝つのかという戦い」(高鳥氏)だ。陣営は「総力戦」と書かれたポロシャツを着用し、党本部も安倍晋三元首相、高市早苗政調会長、福田達夫総務会長、林芳正外相、小渕優子組織運動本部長ら幹部クラスを連日のように派遣。今日1日は茂木敏充幹事長が新潟入りする。

森陣営からすれば「あの憎たらしい女をぶっつぶせとばかり毎日大物が入ってくる」(菊田氏)戦い。憎たらしい女扱いされている森氏は発言を逆手に「『あの女、もう国会に来れなくなるようにしてやる』とか、いろんなことを言われているようでございますが、そういうわけにはいきません。こんな政治と戦わせて下さい」と息巻いている。【中嶋文明】