「肩がこらない服」が誕生する!? 文化服装学院(東京都渋谷区)の学生が、人間工学を専門とする千葉大の下村義弘教授の知見や指導を受け、磁気治療器「ピップエレキバン」の製造販売を行うピップ社(本社・大阪市中央区)が実施している「コリナイ・プロジェクト」に参加。今年10月に開催が予定されている「未来の“肩がこらない服”」をテーマにした「コリナイ・コレクション」の衣装製作を担当する。

学生80人がデザイン案を描き、ピップ担当者が1次審査を行って19作品に絞りこんだ。奇抜なデザインや斬新な発想の数々。同プロジェクト特設サイト内で3日午後11時59分まで実施している「デザイン投票キャンペーン」で、実際に実現化する5作品を決定する。文化服装学院の朴沢明子教授は「ファッションの力で肩こりにアプローチしたいというユニークなお声がけをいただいた。学生の感性を生かした独創性を存分に発揮して成功させたい」と、今月上旬から制作にとりかかる。

下村教授も「肩こりは人間工学でも大きな問題。研究が進められていますが根本的な改善方法がないのが現状」と問題提起。学生に「コリナイ塾」と題した講義をデザイン提出前に行い「発生する仕組みや、どうしたら防げるかの共通理解が出来たと思う」と手応えを得ている。ファッションショーでは、ピップエレキバン50周年アンバサダーのAKB48倉野尾成美と下尾みうがファッションショーでモデルを務める予定。下尾も「私も肩こりに悩んでいるので、改善のヒントを見つけられたら」と同世代が発案した服の完成も心待ちにする。

ピップ社のピップエレキバン50周年プロジェクトリーダー松浦由典さんも「肩こりをネガティブ要素ではなく、面白い側面から考えるきっかけを作りたかった」と説明。19作品には「ユニークなものだけでなく、理論的にしっかり説明出来るものばかりで驚いた。今は2次元的な見え方ですが、素材も含めて立体的な形になることが楽しみ。どれもインパクトがある」と胸躍らせた。同社の独自調査では、25~59歳の男女の6割以上が肩こりに悩んでいるいる現状。老若男女が興味を抱くファッションで、肩こり解消となるか。【鎌田直秀】