米中西部オハイオ州アクロンの当局は3日、黒人男性(25)が交通違反の疑いで停車を求められて逃走し警察官に射殺された事件で、男性が全身に少なくとも60発の弾丸を受けていたと明らかにした。警察の対応に批判が高まり、波紋を広げている。米メディアによると、警察側は、6月27日、射殺されたジェイランド・ウォーカーさんに停車を求めたが逃走したためパトカーで追跡。その後、徒歩で逃げたため発砲したと説明。ウォーカーさんが振り向いて発砲するそぶりを見せたとしているが、実際は銃を持っておらず、車内から発見された。警察は、当日のボディーカメラの映像も公開。逃走中の車から発砲音もあったと主張している。関与した警察官8人は休職とし、内部監査が行われている。

現地では警察に対して過剰な対応、人種差別などと批判が高まり、大規模な抗議デモも行われた。米国では20年5月にミネソタ州で警官による黒人男性暴行死事件が起き、ブラック・ライブズ・マターという抗議活動が全米に広がった。