ウクライナへの侵攻を続けるロシアのプーチン大統領が、イラン訪問中に影武者を使っていた疑惑が浮上している。ウクライナ国防省の情報総局トップのキリロ・ブダノフ准将が、地元メディアに「別人の可能性がある」と語ったと英サン紙が報じた。

プーチン大統領は今年2月のウクライナ侵攻開始後2度目となる外遊でイランを訪れ、19日に首都テヘランで同国とトルコの首脳らと相次いで会談を行っていた。

プーチン大統領の健康問題を巡っては、血液のがんを患い重病である説やパーキンソン病の可能性などがうわさされており、ここ数カ月は極秘手術を受けた可能性や死亡説もささやかれていた。

旧ソビエト諸国以外の国を訪れたのは侵攻後今回が初めてとなるが、飛行場に到着した際の映像ではいつもより軽快な足取りで速足で歩いているように見えるとブダノフ准将は指摘。「ヒントを与えているだけ」と述べるにとどめたものの、飛行機を降りた瞬間のエネルギッシュな姿に「これがプーチンだと思いますか?」と述べ、別人である可能性を示唆した。

プーチン大統領はこれまで、公の場で机の端を強く握る不自然な態勢で座っていたり、椅子に座った足が小刻みに震える様子などが確認されており、健康不安が取り沙汰されていた。4月に極秘手術を受けたと伝えられた際には、影武者を用意していることや、事前に収録した映像を流して健康不安を隠蔽(いんぺい)していることなども指摘されていた。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)