前宮崎県知事の東国原英夫氏(64)が17日、宮崎市内で会見し、年末に実施される同県知事選(12月8日告示、同25日投開票)に出馬すると正式に表明した。

東国原氏は会見冒頭に「申し訳ございませんでした」と頭を下げた。宮崎知事を2007年から4年1期を務めて退任し、2011年の総選挙に出馬し、「宮崎を捨てた」と県民から批判されたことを「重い十字架としてのしかかっていた」と明かし、謝罪。その上で「リスタート、再チャレンジをお許しいただければ県民のために全力で取り組む」と語った。

東国原氏は出馬理由について「宮崎県の存在感が下がってきている」と話した。東国原氏が知事だったときの副知事で、4選目を目指す宮崎県知事の河野俊嗣氏(57)がテレビで紹介されたとき、別人の顔写真が流れ、がく然としたという。「知事としての存在感が下がってきている」と話し「政治スタイルには個性がある。河野さんは優秀で安定、堅実。僕はそこに夢、希望、ワクワクを加えたい」と述べた。

前回18年の県知事選では、新人候補を擁立した共産党以外の与野党が、相乗りして推薦する形で河野氏が圧勝の3選を決めた。東国原氏は「もう党ごとにケンカしている場合ではない。協力をいただけるように、党派関係なく話したい」と話し、今後、各党にも支援を呼び掛け、切り崩しを図りたい考えだ。

16年前の知事選出馬は当時妻だった女優かとうかずこの理解は得られず、離婚に至った。現在の妻は宮崎市に住んでいて出馬について「応援する」と言われたという。かとうとの間の長男(32)も選挙期間は宮崎に手伝いにくるという。「妻や息子の反応に驚いている。宮崎のため最後のご奉仕をしたい」。前回のキャッチフレーズは07年の流行語大賞にもなった「どげんかせんといかん」。今回は暫定で「シン・どげんかせんといかん」を掲げて走り出す。【寺沢卓】