日本維新の会は27日、大阪市内で臨時党大会を開き、松井一郎代表(大阪市長)の後継を決める投票を行い、新代表に共同代表の馬場伸幸衆院議員(57)を選出した。結党以来初となる代表選挙には馬場氏の他に足立康史国会議員団政調会長(56)、梅村みずほ参院議員(43)が立候補したが、圧勝した。得票数は馬場氏が8527票、足立氏が1158票、梅村氏が1140票。馬場氏は、大阪府知事の吉村洋文副代表(47)を党ナンバー2の共同代表に指名すると表明した。

新代表のあいさつで馬場氏は「改革を前に進め、自民党と対峙(たいじ)できる政党に大きく育てていきたい」と決意を述べ、松井氏の路線継承を強調した。「8番キャッチャー」と自称する実務型。自らの性格について「野球で言うなら8番キャッチャー。性格は変わるものではない。みなさんが気持ちよく働けるように8番キャッチャーとして務めていきたい」と意気込んだ。

バトンを託された松井氏について「4番サードの花形選手」と評し、「野性のカンが鋭い。政治の世界では大事な能力なので、磨いていきたい」と新代表としての“課題”を挙げた。

一方で「8番キャッチャー」が求心力を維持できるかどうかは未知数だ。大阪市内の会場で開票結果を待つ休憩時間には、吉村氏と2ショット写真を求める地方議員の行列ができた。「やっぱり知名度では吉村さん。馬場さんは信頼できる政治家だけど、選挙の顔としてはどうか」と本音も漏らす議員も。

国会議員が党のトップになることで従来対等だった地方議員との関係が崩れるのではないかと不安を口にする議員もいるが、馬場氏は吉村氏を共同代表に据えることを表明し、バランスを取った。

大きな目標は「次期衆院選で野党第1党」。全国政党化へ、「8番キャッチャー」の手腕が問われる。【松浦隆司】

◆馬場伸幸氏(ばば・のぶゆき) 1965年(昭40)1月27日、堺市生まれ。大阪府立鳳高卒。ロイヤルホストで3年間コックとして働く。中山太郎衆院議員の秘書となり、28歳で堺市議初当選。10年に自民党を離党し、大阪維新の会の結成に参加。12年衆院初当選。維新の党では国対委員長、選対委員長代行、衆院憲法審査会幹事。日本維新の会では幹事長、共同代表を務めた。大阪17区、衆院当選4回。