22日午前9時40分ごろ、秋田県鹿角市八幡平字堂の上の民家敷地内にある池で、飼っていたニシキゴイがツキノワグマに捕食されたと、この家に住む60代男性が市役所を通じて鹿角署に通報した。

署によると、同日午前5時50分ごろ、男性が設置した防犯カメラに、池に入ってコイを襲う体長約1メートルのクマが映っていた。この日の被害は4匹だったが、今月16日と17日に計4匹が捕食されており、計8匹が被害にあった。被害総額は20万円から40万円と見込まれている。16日から17日にかけた被害に気づいた男性が市役所に相談し、カメラを設置していた。池は自宅の南側だったが、東側にはクマとみられる足跡も確認された。

16、17、22日に表れたクマが同一のクマかどうかは不明だが、連日通ってきている恐れもある。

警察や市職員らが市内を巡回してクマの捜索を行うとともに住民らにも警戒を呼びかけた。クマの発見には至らず、目撃情報もない。市の担当者から教育委員会や学校などに状況を伝え、小中学生の保護者らには「クマ出没メール」で注意喚起している。同署は「クマの出没は日常茶飯事ですが、ニシキゴイが食べられたのは珍しい。引き続き、パトカーによる警戒をしていきます」と再発防止に努める予定だ。

鹿角署管内での家畜や愛玩動物被害は今年に入って初めてだ。5月にタケノコ採取中に山林で男性がクマに襲われて顔を負傷し、6月にはゴミ捨て中に遭遇した女性が逃げる際に転倒して肩や腰をケガ。車と接触する物損被害が2件、トウモロコシ100本など農作物被害も4件発生している。【鎌田直秀】