未成年の少女に対する性的虐待疑惑で2019年に公務を引退した英国のエリザベス女王の次男アンドルー王子(62)を巡る新たなドキュメンタリー「プリンス・アンドルー:バニッシュド(アンドルー王子:追放)」が5日、米NBCの動画配信サービス、ピーコックで公開され、アンドルー王子の不特定多数の女性とのセックス事情が暴露された。

同番組は、王室関係者やジャーナリスト、王室報道官のほかアンドルー王子と社交界でつながりのある人物らの証言をもとにした内容。王子を没落させた未成年への性的暴行疑惑で民事訴訟を起こした弁護団へのインタビューも行われている。中でも注目されているのが、1998年から04年まで王室警護官としてアンドルー王子の警護を担当したポール・ページ氏が、「寝室に何人の女性を連れ込んだか分からない」と、入れ代わり立ち代わり女性たちが訪問していたことを暴露したこと。「寝室に回転ドアをつけるべきだ」と同僚らと冗談を言うほどだったといい、「文字通り1日おきに誰かが会いに来ていた」と述べ、訪れる女性は毎回違っていたと明かした。

また、女性が訪れるたびに、警護上の理由から王子のスタッフに確認が取れるまで、入室が認められないことを伝えなければならなかったとし、その際に女性が王子に電話をかけて話した会話の内容や、電話口で王子から女性を中に入れるよう汚い言葉で怒鳴られたことなども明かしている。他の王室メンバーのようなスタッフに対して敬意を持って礼儀正しく接する態度は皆無だったといい、「ひどい男だ。彼の行為はいじめだ」と述べている。

アンドルー王子は96年にセーラ元妃と離婚しているが、2人は現在もウィンザー城近くの邸宅で同居している。

また番組では、01年に当時17歳の少女に性的暴行を加えたとして米国で起こされた民事訴訟や性的人身売買の罪で訴追され、獄中死した米富豪ジェフリー・エプスティーン元被告との親交などについても明かされている。アンドルー王子は先月8日に死去したエリザベス女王のお気に入りだったと言われてきただけに、女王が死去したばかりの王室にとって大きな痛手となる内容に衝撃が走っている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)