将棋の最年少5冠、藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖=20)が初防衛を目指して広瀬章人八段(35)の挑戦を受ける、第35期竜王戦7番勝負第2局が21、22日の両日、京都市の仁和寺で行われ、先手の藤井が広瀬を破り、シリーズ対戦成績を1勝1敗のタイに戻した。

「ひふみん」こと加藤一二三・九段(82)の「ひふみんアイ」をお届けします。

   ◇   ◇   ◇

藤井竜王はタイトル戦で連敗がないんですって。空前絶後ですよ。竜王戦7番勝負での連勝は23例あり、タイトル獲得はこのうち18例。獲得率7割8分3厘というデータがあるそうです。よくタイに戻しました。

特に今回は、何をするのか分からない挑戦者が相手ですから。復古調の「3三金型早繰り銀」ですか。開幕局の快勝譜といい、広瀬八段は相当研究してきていますね。第2局も途中までは苦しめましたが、攻め合いに持ち込まれては厳しかった。

銀を巧みに動かし、歩で小技を絡めて中央を制圧してからは、終盤力に定評のある藤井竜王が本領を発揮する形になってしまいましたから。最後もあっけなかったですし。

第3局は、角換わり腰掛け銀への後手番藤井竜王の対応が課題です。どちらが先に勝ち越すかで、シリーズを大きく左右すると思います。