自民党の木原誠二官房副長官が28日、昨年10月の衆院選の際に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体から推薦状を受け取っていたことが明らかになった。木原氏は関連団体が求めた「推薦確認書」については「交わした事実は確認されなかった」と署名したことを否定したが、木原氏は岸田文雄首相が率いる岸田派の最側近の1人で、身内閣僚による逆風が吹き荒れている。

岸田文雄首相は、この日の参院本会議で、自民党の一部議員が旧統一教会の関連団体と交わした事実上の政策協定となる「推薦確認書」について、党として調査しない考えを明らかにした。岸田氏は「選挙にあたり各候補者が政策分野を含め、さまざまな団体と書面のやりとりを行っている。その上で推薦確認書に署名したことが選挙への支援につながっているかどうかがポイント」と強調した。その上で「党として所属国会議員による点検結果を取りまとめ、すでに公表をしている。推薦確認書に署名したと認めている議員が説明しているように党の点検結果との関係については議員本人が説明すべきもの」と党としての介入を避けた。

だが、自民党議員と教団側の新たな接点判明が止まる気配はない。24日に教団側と複数の接点が相次いで判明した山際大志郎前経済再生相が事実上の更迭となった以降も、自民党の大串正樹デジタル副大臣が昨年10月に「推薦確認書」に署名したことを認めた。大串氏は霊感商法、高額献金などの被害を扱う消費者行政も兼務している。さらに、28日夜には山田賢司外務副大臣が旧統一教会の関連団体「世界平和連合」の「推薦確認書」に昨年9月に署名していたと発表。岸田氏を悩ませる内閣支持率低迷の回復は険しくなるばかりだ。【大上悟】