1カ月足らずで3閣僚が相次いで辞任した岸田政権の国会運営が大混乱に陥っている。

21日午前、事実上の更迭となった寺田稔前総務相の辞任を受け、与野党6党の国対委員長らが会談したが、野党側は政府の対応に反発して紛糾。午後1時から予定されていた衆院本会議は一時、白紙に。約1時間45分遅れで開会にこぎ着けたが、その後に予定されていた参院本会議は取りやめとなった。

臨時国会(12月10日閉会)は終盤を迎え、今週から衆参本会議で高騰を続ける物価高など経済対策を盛り込んだ本年度の第2次補正予算案の審議入りした。だが、立憲民主党の安住淳国対委員長は会合で衆院予算委員会で補正予算の実質審議は「25日からスタートとなる」と与党の想定から1日遅れを明言するなど、早くも補正予算案の審議は波乱含みの様相だ。

衆院本会議は岸田文雄首相が自ら、寺田氏らの辞任について説明し、質疑に応じる野党側の条件を受け入れて開会した。10月24日の山際大志郎前経済再生相、11日の葉梨康弘前法相に続き、この日辞任した寺田氏と、わずか29日間で3閣僚が事実上の更迭。立憲民主党の吉田晴美氏から「1カ月弱で毎週のように3人もの大臣を更迭。前代未聞のドミノ辞任という大失態であり、大臣辞任は永田町の風物詩。人を見る目がないのでは」などと指摘を受けた岸田氏は「国会開会中に大臣が辞任する事態となったことは誠に遺憾であり、任命責任を重く受け止めている」と陳謝した。

補正予算案の行方次第で与野党が今国会中の成立を目指す世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の被害者救済を巡る新法への影響が懸念される。【大上悟】