藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖=20)が年度内6冠へ望みをつないだ。29日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた、第48期棋王戦コナミグループ杯挑戦者決定トーナメント(挑決T)敗者復活戦1回戦で午後6時51分、135手で伊藤匠五段(20)を下した。12月8日、同所で行われる敗者復活戦では、来年の王将戦7番勝負で挑戦を受ける羽生善治九段(52)と対戦する。

藤井との同学年対決で、昨年の新人王の伊藤が脱落した。スルスルと敵陣に入った藤井玉を追い回したが、うまくかわされた。「踏み込まれて方針が分からず、捕まえきれない展開になった」と振り返った。

今期は予選トーナメントで5連勝して、挑決Tに進出。三浦弘行九段、永瀬拓矢王座、増田康宏六段を下し、初の4強入りとなった。準決勝で羽生、敗者復活戦に回った藤井に連敗し、「ベスト4以上は2敗で失格」という規則のため敗退したが、旋風を巻き起こした。

「トップ棋士の先生とたくさん対局することができて、貴重な経験ができました」。今後もタイトル戦での活躍が期待できそうだ。