年末の風物詩で、今年を代表する言葉を選ぶ「現代用語の基礎知識選 2022ユーキャン新語・流行語大賞」が1日、都内で発表され、「村神様」が年間大賞に輝いた。昨年の年間大賞に選出されたエンゼルス大谷翔平投手(28)のア・リーグMVPなどを称した「リアル二刀流/ショータイム」に続いて、野球関連が2年連続受賞となった。

プロ野球の東京ヤクルトスワローズ村上宗隆内野手(22)が登壇して盾を受け取り、「村神様という言葉をつくっていただいたファンの皆さま、取り上げていただいたメディアの皆さまに感謝しております」とあいさつ。「この言葉で、野球が日本中、世界中に広がればと思っております。来シーズンも村神様と呼ばれるような活躍をして、また新たな言葉でこの場に立ちたい」と決意した。

司会者から「賞を打球に例えると?」と問われると、苦笑いを浮かべながら「もちろんホームランですけれど、みんな、この言葉を知っているのか、不安な気持ちもあります。(方向は)バックスクリーンですね」と打ち返した。「神」と呼ばれることには「いや、人間です」とシーズン中同様に強調。年間大賞受賞の今夜、「どういう夢を見ると思うか?」と問われると、今朝の夢と勘違いし、「海に落ちる夢を見ました」と明かして、会場の笑いも誘った。「広い海。溺れて起きました。(見たのは)2回目くらいです」と笑顔で受賞者の中心に座り、登壇者全員と一緒に記念撮影した。

「村神様」は、ヤクルトの勝利や優勝を導く神がかった村上の活躍を象徴する愛称だ。今季の5打席連続本塁打、史上最年少3冠王、日本選手最多56本塁打など数々の偉業により、ファンも村上を「神」と呼び、報道やSNSなどを通じて認知された。球団も「村神降臨」とデザインされた「村神様」グッズを販売している。

審査員の杏林大教授・金田一秀穂さんは「去年から引き続いて、今年も何だか面白くないことが多く、言葉の世界ぐらいは少し明るいものを選びたいと思い、野球が中心に」と選考の経緯を述べた。

トップ10には以下が選ばれた。

◆キーウ

◆きつねダンス

◆国葬儀

◆宗教2世

◆知らんけど

◆スマホショルダー

◆てまえどり

◆村神様

◆Yakult(ヤクルト)1000

◆悪い円安

選考委員特別賞には「青春って、すごく密なので」が選ばれた。今夏の甲子園で東北勢初優勝を果たした宮城・仙台育英の須江航監督(39)が、優勝インタビューでコロナ禍の行動制限に苦しんできた全国の生徒たちの奮闘をたたえて発言したコメントだった。

昨年トップ10には「ジェンダー平等」「うっせぇわ」「親ガチャ」「ゴン攻め/ビッタビタ」「人流」「スギムライジング」「Z世代」「ぼったくり男爵」「黙食」が選出されていた。