世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を巡る被害者救済法案が8日、衆院本会議で採決され、可決した。その後、参院で審議入りし、今臨時国会の会期末の10日に参院本会議で採決し、成立する見通しとなった。

衆院本会議を傍聴した元2世信者の小川さゆり(仮名)さんと、元妻が現在も信者で長男が焼身自殺した橋田達夫さんは国会内で会見を行った。小川さんは「この新法を作ることは奇跡に近い。8月23日に初めて野党のヒアリングに参加した時は本当に想像がではなかった」と何度も言葉を詰まらせた。橋田さんは「かかわってくれた弁護士さん、総理も含めて本当にみなさまに心から感謝しています。言葉に出ない。感無量です」と思いを語った。

合同結婚式に参加した小川さんの両親は現在も信者で多額の寄付を続け、幼少期から生活は困窮、小学校時代にはいじめを受けた。学生時代には小川さんがためたアルバイト代も無断で献金された。「自分の子供が生まれて、その子に同じ思いをさせたくない」と決意を固め、メディアにも顔を露出して救済を訴え続けている。

小川さんは法案について「これが実際に裁判で実効性を伴うのかどうか検証、見直しをしっかりと行っていただきたい」とし、「債権者代位権についても宗教2世が救われない内容になっている部分もある。課題がたくさん残っている。議論を続けていってほしい」と、法案成立が被害者救済のスタートと強調した。