任期満了に伴う宮崎県知事選は25日投開票され、選挙戦終盤で元職東国原英夫氏(65)が猛追したが、1歩及ばなかった。現職河野俊嗣氏(58)が多くの政党・団体からの支持を基盤にして票を固めて4選を果たした。

午後11時、河野氏の当選確実の速報がテレビ中継で流れた。約200人の支持者で埋まった東国原氏の選挙事務所には、オレンジ色のダウンコートを着た本人が現れた。拍手に包まれながら壇上にあがった東国原氏は「すべては私の力不足。申し訳ありませんでした」と深く頭を下げた。12年ぶりの宮崎県政復帰は夢と終わった。

テレビの中継画面では県知事時代に副知事だった河野氏が顔をぐしゃぐしゃにして泣いていた。震える声で「ありがとうございます」と感謝の言葉を絞り出していた。東国原氏は「本気で選挙に取り組んだと聞いています。今まで本気じゃなかったんでしょう、きっと」と話し「でも、強いですよ。競り勝って残ったんだからいい県政になると思う。選挙が終わればノーサイド。私も地方税を納入するとか協力はできる」と会場を笑わせた。

妻春香さん(45)も一緒に戦った。選挙戦直前で東国原氏が新型コロナウイルスに感染して、一時期体力がガクンと落ちた。「栄養をつけないといけないので食事面は気をつけました。選挙中も昼前に主人から食べたいもののリクエストが入ってササッとつくって届けました」。元妻で俳優のかとうかず子も応援に駆けつけ、選挙戦を盛り上げた。

今後については「白紙ですね」と未定を貫いたが、今後の宮崎県の可能性として「やっぱりフロリダ化ですかね。観光で日本のトップになるぐらいの気概はほしい」と知事選に負けてなお、熱く故郷の将来を語っていた。【寺沢卓】