将棋の「ABEMAトーナメント2023」の収録が4日、都内で行われ、トップ棋士14人が個別に会見した。8日から開幕する第72期ALSOK杯王将戦7番勝負で相まみえる藤井聡太王将(竜王・王位・叡王・棋聖=20)と、挑戦者の羽生善治九段(52)もそれぞれ新年の抱負を語った。

愛知県内の自宅で年末年始をゆっくり過ごしながら、王将戦に向けて調整したという藤井は盤外のことで、「家族で大富豪(トランプ)をしました」と話した。苦手だったキノコについては、「マイタケの天ぷらが食べられるようになりました。一応、前進したということで」と笑った。

王将戦のことになると、目つきが変わった。羽生とのタイトル戦は初めて。「大舞台で対戦できるのを楽しみにしていますし、第1局までもうすぐなので、いい状態で迎えられたら」とした。

対する羽生は20年竜王戦7番勝負以来のタイトル戦登場で、獲得通算100期を目指す。「正月だからノンビリという気にはならず、緊張感が高まってきました。年が変わって、新たな気持ちで一歩前に進むというすがすがしさがあります」と、落ち着き払っていた。【赤塚辰浩】