参院議院運営委員会の理事会は20日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに滞在中で昨年7月の当選から、2度の臨時国会を欠席し、1度も登院していないNHK党のガーシー(東谷義和)参院議員が提出している海外渡航届について不許可とすることを全会一致で決定した。ガーシー氏の海外渡航届が不許可となるのは昨年の臨時国会に続いて3度目となる。

ガーシー氏は参院に3月上旬の帰国予定を伝えているが、通常国会召集日の23日から欠席が見込まれ、与野党から懲罰を求める声が出ている。理事懇談会ではガーシー氏に対する懲罰を巡って意見交換が行われ、週明けにも再協議を行う。懲罰委員会が開会される可能性も出てきた。懲罰が科されれば、参院では2013年に北朝鮮に無許可で訪問した日本維新の会のアントニオ猪木参院議員が30日間の登院停止となって以来となる。

ガーシー氏は動画投稿サイトで著名人を中傷、脅迫したとして、警視庁から任意の事情聴取を要請され、暴力行為法違反(常習的脅迫)容疑などで複数の関係先が家宅捜索を受けた。同党の立花孝志党首は「国会に来なくても、めちゃくちゃ仕事しています。どうぞ懲罰委員会やってください。一番重い除名をするというのは時期尚早。本人が3月上旬に帰って来なかったら一発で除名でもいい」などと反論した。

立憲民主党の泉健太代表はこの日、「国会議員は国会で議論をする、審議をする、採決に参加をする、これを大前提にしている仕事」とした上で、「本人が来たくない、これないから来ないということならば、職務放棄と捉えられてもしょうがない」と批判した。