第211通常国会(6月21日まで会期150日間)が23日に召集された。岸田文雄首相が衆参両院で施政方針演説行い、少子化対策や防衛費増額に伴う増税などについて理解を求めた。

この日、参院の議院運営委員会は昨年7月の当選から1度も国会に登院していないNHK党のガーシー(東谷義和)参院議員に対して、速やかな帰国と登院を求める文書を同党に通告し、懲罰動議案も浮上した。

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参院議院運営委員会の理事会は23日、NHK党のガーシー参院議員に対して、速やかな帰国と国会登院を求める文書を同党の浜田聡政調会長に手渡した。ガーシー氏は昨年7月の当選前からアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに滞在し、昨年は2度の臨時国会を欠席し、1度も登院しておらず、この日召集された通常国会も欠席を続けている。

ガーシー氏は3月上旬に帰国する意向を明らかにしている。この日、NHK党の立花孝志党首は「予定通り、3月上旬に向けて帰国し、NHK予算案の質疑に冒頭ぶつける」と、これまで通りの方針に変わりがないことを明言した。そして「議運の方も、それを理解していただいている、と認識している」とした。

ガーシー氏を巡り、懲罰委員会の開会も現実味を帯びてきた。20日にドバイ入りした浜田氏はガーシー氏と初登院や国会デビューへ向けた協議を行い、22日に帰国した。この日、浜田氏も出席した参院の与野党国対委員長会談が、終了後に事態は動いた。

自民党の野上浩太郎国対委員長と、立憲民主党の斎藤嘉隆国対委員長による会談で野上氏から昨年、2度の臨時国会を欠席したガーシー氏に対して「冒頭3日間の内に懲罰動議を出してはどうか」との提案が示された。斎藤氏は持ち帰ったが「明日中には結論を出すことになる」とした。

懲罰処分となれば参院では2013年に北朝鮮に無許可で訪問した日本維新の会のアントニオ猪木参院議員が30日間の登院停止となって以来。ガーシー氏に対して与野党から批判は強まる一方だ。【大上悟】