参院懲罰委員会(鈴木宗男委員長)は16日、国会内で理事懇談会を開き、昨年の参院選で初当選以来、1度も国会に登院していないNHK党のガーシー(本名・東谷義和)参院議員に対する懲罰案を、21日の委員会で採決することを決めた。翌22日の参院本会議で正式決定する見通し。

懲罰は重い順に除名、登院停止、議場での陳謝、戒告の4種類あり、まずは「陳謝」とする案が有力だが、ガーシー氏が陳謝に応じない場合は再び懲罰委に付託し、除名とする案が浮上している。

21日の懲罰委には、ガーシー氏の代理でN党の浜田聡政調会長が出席し、弁明を行う。各党による浜田氏への尋問を経た上で、各党が具体的な懲罰内容について討論後、採決を行う。

各党は「有権者から選ばれた議員の身分は重い」として、即時除名は避け、まずは議場での陳謝とする見通しだ。陳謝の懲罰が決まれば、ガーシー氏が出席して陳謝する本会議を3月上旬にも開く予定。

N党の立花孝志党首は今年1月の会見で、ガーシー氏の3月の帰国について「その方向で進めているとのことだった。腹を固めたのだと思う」と述べていた。しかし、今月8日の会見では「最終的には3月に戻って来るかどうかについて、決めかねている状況」と話すなど、帰国は不透明な状況になっていることを示唆している。

もし、ガーシー氏が陳謝を求められた本会議を欠席した場合は、再び懲罰委で処分を検討することになる。この場合は「陳謝」という参院の決定を無視したことになるため、最も重い除名とする方向だ。除名の場合は、本会議で出席議員の3分の2以上の賛成が必要となる。

ガーシー氏は、アラブ首長国連邦(UAE)などに滞在。インスタグラムでの発信は続けている。