第16回朝日杯将棋オープン戦準決勝が23日、東京都千代田区「有楽町朝日ホール」で行われた。10年ぶり2回目の優勝を狙う渡辺明名人(棋王=38)と、初のベスト4進出を果たした糸谷哲郎八段(34)との対局は二転三転するスリリングな展開の末、150手で渡辺が接戦を制した。もう一方の準決勝では、藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖=20)が豊島将之九段(32)に逆転勝ちした。

渡辺は、「序盤苦しくしてしまった。軽率だった。そこから粘ることができた」と言う。4年前に決勝に勝ち上がった時は、藤井に敗れた。準優勝は過去3回。「決勝は久しぶりなので、チャンスを生かせるように精いっぱい頑張りたいと思います」と話した。

敗れた糸谷は、「慣れ親しんだ角換わりで優位に立って抜け出したと思ったが、勝ちきれませんでした。今年よくある負けパターンでした」と反省していた。