高市早苗経済安全保障担当相は14日の衆院本会議で、放送法の「政治的公平」をめぐる総務省の行政文書問題で、文書に記された2015年5月の自身の国会での答弁が礒崎陽輔首相補佐官(当時)の影響を受けていないことを証明するメールや資料を、衆議院に提出する用意があると述べた。

「問題の本質は、私の(2015年)5月12日の参院総務委員会の答弁が、礒崎元補佐官の影響を受けたのか否かだと思う。そうでないことを証明するため、委員会前夜の私と大臣室の答弁案のやりとりに関するメール、答弁案を作成した課から大臣室に送られてきた資料について、お求めをいただけたら本院に提出したい」と述べた。「問題の本質は」の部分に、力を込めた。立憲民主党の末次精一議員の質問に答えた。

高市氏は、当時の参院総務委で「1つの番組でも極端な場合は政治的公平を確保しているとは認められない」と答弁。行政文書には「礒崎補佐官と調整したものに基づいて、高市大臣が答弁」という記載があり、野党側が官邸側の影響を指摘する根拠でもある。自身に関する文書の記載内容を「捏造(ねつぞう)」としてきた高市氏にとって、メールや資料の提出は自らの主張を正当化できると踏んでのこととみられる。

一方、高市氏は、総務省が高市氏に対するレクが「あった可能性が高い」とした同年2月13日の行動に関して、文書に「2月13日(金)15:45~16:00」「大臣室」などの記載があることを踏まえ、当時、何をしていたのか明かすよう、末次氏から求められた。しかし高市氏は記録は残っていないと答弁。「総務省にも問い合わせたが、8年前のスケジュールは残っていないということだった。議員会館の政務日程も残っていなかった」「当日になって追加される日程もあり、8年前の特定の日時を詳細に確認する方法はないことをご理解たまわりたい」と述べた。

レクの有無など、総務省との見解の違いが明確になった前日13日の参院予算委員会の表情とは異なり、高市氏はこの日、時折笑顔をまじえながら答弁した。