「ぶらり鉄道」の第10回は、通称「江ノ電」で有名な江ノ島電鉄を紹介する。

神奈川藤沢市と鎌倉市を結ぶ江ノ電には、3つの顔がある。今回の取材でそう感じた。

朝、藤沢駅に到着する電車はビルの間を走ってやってくる。乗っている乗客はスーツ姿や制服姿で、会社や学校に行くために足早に改札を出ていく。地元住民の足として活躍する。

昼、海岸線を走る電車の乗客は国際色豊かになる。日本人はもちろん外国人観光客も多く見かける。駅のホームで記念写真を撮ったり、窓から海の景色を楽しむ人など観光列車になる。

そして最後は、被写体としての江ノ電だ。沿線を歩くと多くのカメラマンを見かける。中にはマナーの悪い人もいるが、多くはルールを守って好きな電車にレンズを向けている。

江ノ電は昨年9月に開業120周年を迎えた。3月18日からは「列車運行情報WEB公開システム」が利用可能になった。列車の運行状況の他に車両形式などもわかるようになっている。お目当ての車両に乗ったり撮ったりするのに便利なツールだ。もうじき夏、湘南にもっとも似合う季節が、今年も来る。【撮影と文・大野祥一】

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