東京都の小池百合子知事は28日の定例会見で、多くの樹木が伐採されるとして批判が出ている神宮外苑再開発計画をめぐり、事業者側に対して「しっかりと丁寧な情報発信をしていただきたい」と、あらためて求めた。

都側の要請を受け、事業者が計画に関して周知をはかるなどの動きが出始めたことへの感想を問われ、答えた。「渋沢栄一さんをはじめ(明治神宮を)創建された方々の思いを受け止め、新たな100年をという思いを事業者の皆さんがお持ちになっている。これらのことについて、丁寧な情報発信をしていただくことが必要だ」と、述べた。

質問では、計画に反対していた音楽家坂本龍一さんが亡くなった後、都内で計画の見直しを求めるデモや集会などの動きが出ていることを東京都としてどう思っているかという内容のものもあったが、小池氏は直接は答えなかった。

そのため「デモが相次いでいることについても、事業者の丁寧な発信が必要ということか」と再び記者に問われると、小池氏は「そういうことです」とした上で「渋沢栄一さんをはじめ、創建の遺志は大切にしていく必要がある。これからも献木などを行っていくという事業者の声が、そこにつながってくると感じている」と、述べた。計画見直しを求める市民らの動きに対する感想には、言及しなかった。