藤井聡太王位(竜王・叡王・棋王・王将・棋聖=20)への挑戦者を決める、将棋の伊藤園お~いお茶杯第64期王位戦挑戦者決定戦羽生善治九段(52)対佐々木大地七段(27)戦が18日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた。対局は先手の佐々木が勝ち、王位戦初挑戦権を獲得した。来月開幕する棋聖戦5番勝負に次いで、連続でのタイトル初挑戦となる。

終局後、佐々木は記者会見に応じた。

-挑戦者決定戦の1局を振り返って

佐々木 序盤から難解な将棋で、攻め込まれてかなり自信がなかった。うまく粘ってチャンスを待つ感じで、自分なりにしぶとく戦えました。

-羽生九段との対局は意識したか

佐々木 羽生九段の読みの速さや正確さに自分が劣っていると実感していました。(対局では)読みにない手があって、逆に楽しくなる感じでした。大一番ですが、いろいろ吸収したいと思いました。4年前の棋王戦挑戦者決定戦で本田奎現六段に敗れたときと比べて、落ち着いて臨めました。

-王位戦の印象は

佐々木 6年前、最初のリーグ入りでは上位陣の壁に当たっていいところなく陥落しました。その後も若手や実力者との厳しい対局でなかなか結果が出せず、厳しいと思いました。徐々に勝ち越せるようになってもリーグ優勝にはつながらなかったが、今期は大きなチャンスを生かせてとてもうれしいです。見落としが少なくなったし、要所要所で自分の好きな形にできたのが良かったです。

-師匠の深浦康市九段は3期獲得されていますタイトルです

佐々木 2日制のタイトル戦では濃密な将棋になることが多い。師匠が獲得しているタイトルですし、気持ちの入るタイトル戦です。

-師匠にアドバイスを求めますか

佐々木 2日制の王位戦での持ち時間の使い方など、分からないことはアドバイスを聞いて生かしたいです。

-持ち時間も長くじっくり考えられます

佐々木 2日制で持ち時間8時間は未知の世界だと思います。けっこう長考する方ですし、持ち時間を有意義に使いたいです。

-藤井王位の印象は

佐々木 第一線で活躍されていますし、常に妥協なく最善を求めて指されている姿は影響を受けます。自分にないものを持っているので、シリーズでいろいろ吸収したいです。

-好調の要因は

佐々木 集中して研究や練習将棋ができる環境に加えて、勝ちを積み上げることで好循環になっていると思います。

-体調面での意識は

佐々木 万全の状態で自分の将棋が指せないと相手になりません。睡眠時間も含め、日ごろの体調管理をしっかりして、しっかり調整したいです。

-王位戦は全国を転戦します

佐々木 第4局の九州対局が楽しみです。春に九州に帰ったとき(佐々木は長崎県対馬市出身)は地元の方に応援されました。タイトル戦で夏に行けるのがうれしいです。各地に行くこと自体、気分転換になります。

-藤井王位とは棋聖戦5番勝負も含め、12番勝負になります

佐々木 ここまで本当にとんとん拍子で挑戦権を獲得できました。これでおしまいではなく、ここからが勝負。いい将棋を指して結果も伴うようにしたいです。

-自分の将棋の持ち味は

佐々木 簡単に崩れない粘り強さを見せられたらいいなと思います。

-相掛かりはいつから

佐々木 (プロ棋士養成機関「奨励会」の)三段リーグ時代、何か武器をと思って始めました。序盤から含みの多いところが魅力。タイトル戦でもどれくらいの頻度になるかは分かりませんが、使ってみようと思います。

-改めてタイトル戦に臨むにあたり

私はプレッシャーがかかる場面ではないし、失うものはない。前向きに戦えます。自分の将棋に集中して、充実した夏にしたいです。