上野愛咲美女流立葵杯(女流名人=21)への挑戦権を目指す、囲碁の第10期会津中央病院杯・女流立葵杯準決勝、仲邑菫女流棋聖(14)対向井千瑛六段(35)、藤沢里菜女流本因坊(24)対上野梨紗二段(16)戦が20日、福島県会津若松市「今昔亭」で開催される。対局者の4人と上野立葵杯は19日現地入りした。

前日検分では、すっかり恒例となった和服姿(対局時は別)で対局場に姿を見せ、華やかさを演出した。上野立葵杯の「自撮りスマホ」に全員で収まるなど、なごやかな雰囲気だった。その後は4年ぶりに復活した前夜祭にも出席して、「会津決戦」を前にそれぞれ決意を表明した。

一昨年初めてベスト4入りして以来、2年ぶり2回目の会津入りとなった仲邑は前回同様、赤い着物と紺のはかま姿。2年前はコロナ禍でファンの前では披露できなかった。「うれしいです」と照れ笑いした後、「明日からは成長した姿をお見せしたい」と述べた。

このほか、藤沢は10期すべて会津で対局している唯一の女流棋士。「すてきな着物でうれしいですし、自分らしく打てるように頑張りたい。相手の上野梨紗さんは10代でバリバリに強いですが、精いっぱい頑張れたらと思います」と話し、大きな拍手を浴びた。

また、仲邑と激突する向井は初のベスト4。華やかな着物姿とは裏腹に、「これからもどんどん成長していってほしいと思いますし、世界で活躍していくであろう菫さんに試練を与えられるように頑張りたい」と、早くも闘志をむき出しにした。

上野立葵杯の妹の上野梨も初のベスト4。「相手の里菜先生は強すぎて何も言うことはないですが、ボコボコにされないように頑張ります」と、周囲を笑わせた。

タイトル保持者の上野立葵杯は、「毎年妹から嫉妬されていました。今回はたまたま妹も会津に一緒に行けることができてうれしいです。明日は、私は楽しく観戦してんで勉強したい」と、笑顔を見せていた。

対局開始は午前11時から。準決勝の勝者は21日に同所で行われ決勝に進出する。