上野愛咲美女流立葵杯(女流名人=21)への挑戦権を目指す、囲碁の第10期会津中央病院・女流立葵杯挑戦者決定戦、藤沢里菜女流本因坊(24)対向井千瑛六段(35)戦が21日、福島県会津若松市「今昔亭」で行われた。午前11時から始まった対局は、午後2時36分、181手までで黒(先手)番の藤沢が中押し勝ちし、挑戦権を獲得した。

立葵杯で初めて挑戦者決定戦に進出した向井が、あと1歩のところで力尽きた。序盤からリードを許す。「かなり苦しいと思っていました」。大差にもかかわらず、チャンスをうかがい打ち続けた。

今回は予選から勝ち上がってきた。19日の前夜祭では、翌日に控えた準決勝の相手となる仲邑菫女流棋聖(14)に「試練を与えます」と発言し、見事に勝利した。

「10代、20代の若手が強くて予選から勝ち上がってくるのは大変でしたが、ここまで来られて自信になりました」。終局後、大盤解説会場に姿を見せてこうあいさつをすると、ファンから大きな拍手が送られた。【赤塚辰浩】