広島で開催されたG7広島サミットは21日に閉幕し、各国首脳や配偶者らには、おもてなしの一環として、岸田文雄首相と裕子夫人からお土産品が贈られた。外務省は贈呈品を公表。裕子夫人からG7首脳の配偶者への贈呈品として選ばれた、オペラグラスの「カブキグラス」を開発したサンテプラス(神戸市中央区)の坂田直明代表(51)は日刊スポーツの取材に喜びの声を上げた。

坂田さんは贈呈品に選ばれたことについて「びっくりしました。感激しています」と笑顔。これまでも「メイドインジャパン」のお土産品として外務省に納品としていたといい「最高峰の場でギフトに選ばれたことは、ものづくりにとって名誉なことです」と思いを口にした。

カブキグラスは海外でオペラなどの劇場に魅せられた坂田さんが「席をアップグレードしたい」との思いで開発。30個ほどの双眼鏡を買ったというが納得のいく商品には出会えなかった。そこで、さまざまな分野の匠(たくみ)の協力を得てカブキグラスを自ら制作。特殊な光学設計で電気を使わず、見たいものオートフォーカスでピントが合う設計になっているという。値段は税込み3万3000円。劇場のほかにスポーツの観戦にも向いているといい、G7各国首脳の配偶者らにも「楽しんでもらえると思う」と自信をのぞかせた。

岸田氏は各国首脳にセーラー万年筆(本店・広島県呉市)の「伝統漆芸 彩雅 万年筆」と陶芸家の七代金城一国斎の「蒔絵(まきえ)グラス ワイングラスセットまたはゴブレットセット」を贈呈。裕子夫人はカブキグラスのほか、漆芸作家の高山尚也さん制作の広島漆芸「曙」を贈った。【沢田直人】