盛岡市動物公園ZOOMO(ズーモ、約37ヘクタール)に野生のニホンツキノワグマが侵入した恐れがあり、休園している問題で、市は安全が確認されるまで臨時休園を9日までとすることを5日までに決定した。

3日早朝に園南側の電熱線(約7ボルト)が切断されていること発見し、同じ場所の擁壁(ようへき)にニホンツキノワグマと思われるツメ跡が残っていたもの。園が「園内にクマが侵入した可能性を否定できない」として、3日から臨時休園にしていた。

市では園職員総出で、地元猟友会会員とグループを組んで園内を調査、捜索した。4日、園内複数の場所からクマの足跡を見つけた。園では足跡の大きさから「おそらく60~80キロのニホンツキノワグマの成獣」と話している。

5日までに切断された電熱線は張り替えた。クマが侵入したと思われる場所には監視カメラを設置していなかったが、その周辺に複数のカメラを設置。今後、野生のクマの行動なども含めて観察していく。

園広報担当は、侵入した可能性のあるクマに関して「声をあげながら歩くとクマはその場から逃げる習性がある。園内で3日からずっと飼育員らが声出しをしているので、園外に逃げたのではないかと思われます」と語った。外部から園内に侵入するには電熱線とフェンスに忍び返しが施されているが、園内から外部に出るには電熱線に触れることがないため、高さ約2メートルの擁壁さえよじ登ることができれば逃げることはできるという。

園では9日まで園内での探索と声出し警戒態勢を継続。10日以降の営業については未定。【寺沢卓】