コロンビア南部のアマゾンのジャングルで発生した小型飛行機の事故後、約40日を経て救助された13歳から1歳の4人きょうだいが、飛行機に積んであったキャッサバ粉「ファリーニャ」とジャングルの果実で飢えをしのいでいたことが分かった。11日までに現地メディアなどが報じた。

飛行機事故は5月1日に発生。5月16日には、飛行機に同乗していた母親(33)と大人2人の計3人の死亡が確認されていた。子どもたちは6月9日、軍の捜索で発見されていた。

きょうだいが搬送された病院の外で取材に応じたきょうだいの親族の男性は「飛行機が事故を起こした後、子どもたちは積み荷にあったファリーニャを持ち出し、これを食べていた」と証言した。

ファリーニャは、イモの一種のキャッサバをすりおろすなどして乾燥させた粉末で、アマゾン流域でよく食される食材の一つ。ブラジル料理でもマンジョーカ(キャッサバ)をすりおろし乾燥させたファリーニャとして親しまれ、ニンニクやベーコンなどと炒め合わせた「ファロッファ」などは、豆などの煮込みフェイジョアーダやブラジルの焼き肉「シュハスコ」の際にふりかけのようにして食べられる。アマゾン流域では、栄養価の高い果物「アサイー」とファリーニャを混ぜて食べる伝統食も伝わる。

きょうだいは「ウイトト族」と呼ばれる先住民族。左翼ゲリラのコロンビア革命軍(FARC)から逃れた父親に合流するために、飛行機で移動していた。ファリーニャは父親と合流後に家族の食料とするための積み荷だったとみられる。きょうだいの親族の男性は「ファリーニャが尽きたあとは、種や果物を食べ始めた」と説明。ジャングルには食用できる果物がちょうど実っていたという。