れいわ新選組の山本太郎代表は21日、櫛渕万里、大石晃子両共同代表とともに国会内で会見し、参院法務委員会採決の際の「暴力」を理由に懲罰動議が出されたものの、懲罰が見送られたことについて「暴力行為だというならやるべきだ。暴力ではないから(懲罰を)やれなかったのではないか」との見方を示した。

山本氏は今月8日の入管難民法改正案の参院法務委員会採決で、委員長席にダイブしようとするなどして採決を阻止しようとし、その際に自民党議員らにけがを負わせたとして、自民党や立憲民主党など与野党から懲罰動議を提出された。しかし国会会期末で審議時間がなく、参院議院運営委員会は20日の理事懇談会で、山本氏への懲罰見送りを決定。石井準一議運委員長は、山本氏の「反省の言葉」を理由としていた。

これに対し、山本氏は「『反省してます』とはひとことも言っていない」と見解の違いを主張。「自民党内にも『懲罰は良くない。かけることで議会制民主主義を自分たちでつぶしにいくことになり、手足を縛ることになる』という声もあったようだ。『山本うんぬんではなく、それをやったらまずい』という話もあった」と述べ「(私に)レッテル張りをしたことで、向こうも十分取れるものがあったということだ。弁明の機会を与えたら、うっとうしい(と思ったの)だろう。引っ込めるのにいちばん据わりのいい、『本人が反省しているから』という理由になったのではないか」と、持論を述べた。

れいわは会見に先立ち、懲罰委員会での山本氏の弁明を念頭に置いた「弁明原稿案」を公表。山本氏は「会見強行採決当日の院内カメラのみならず、各報道の映像、画像を集めた上で、故意による暴力行為が行われたか、について、第3者によるジャッジを参議院議長および議院運営委員会委員長に求めます」「私は暴力など振るっていない。暴力的で筋の通らない立法を、身を挺して止めようとしただけです」などと訴える予定だったという。

今国会では、衆院本会議で「与党も野党も茶番」と書かれた紙を掲げるなどした櫛渕氏が、登院停止10日間の懲罰を受けたほか、大石氏も衆院本会議場での不規則発言などを理由に「厳重注意」を受けた。

櫛渕氏は「多数派による、『これ以上抗えばこうなるぞ』という見せしめだったと思う。少数派をこらしめていくような実態があった」と主張。大石氏は「懲罰連発の罰ゲームだ」と訴えた。

山本氏は今国会を「これまでの国会で最悪だ。危険な法案がたくさん通っている焦りを感じた」と振り返り、いずれやってくる衆院解散・総選挙に向けた準備については「準備は進んでいる。数は言いませんが私たち史上最大(を擁立する)」と述べた。