23日午後6時20分ごろ、埼玉県朝霞市の市立第2中学校の屋外プール下で、教員が白骨化した性別不明の遺体を見つけ、110番通報した。朝霞署は身元の確認を進めている。

署などによると、プール底面下の土台部分の空間で白骨遺体はあおむけだったという。ジャンパーとスラックスが白骨遺体の付近にあった。

学校によると、教員はプール外側から底面下に潜り込む基礎部分にある排水管のバルブを閉める作業していたところ、携帯電話のライト機能をつけたときに「石のような白いものが転がっている」と職員室に戻ってきたという。

教員の言葉を受けて現場まで行って遠目からライトを当てて確認した土橋徹嘉校長が「何かわからないが、ちゃんと調べてもらった方がいいから警察に相談しよう」と判断。現場の保存も含めて警察が到着するまで誰も近寄らせなかったという。

プールは6月7日昼に排水管のバルブを緩めてたまった水を抜いた。このときは白骨遺体を発見した教員とは別の教員がバルブを回す作業だけで周囲を確認はしていなかったので、白骨遺体があったのかどうかの確認はできていないという。

22日までにプール内の清掃を行い、23日は水を張るために教員がプール下のバルブを閉めに入り、遺体のようなものを発見した。

プールは学校敷地内にあり、地表面に鉄骨を組んでその上にプールが設置されている。プール下は雑草が生い茂り、高さ約1メートルの空間になっていて、排水管を開閉するバルブは、4~5メートルの奥まった場所に設置されている。白骨遺体はバルブの近くに頭骨が横を向いて両手をまっすぐ体に添うように置かれていた。ほとんど白骨化しており、一部は泥に埋まっている状態だったという。

6月1日の台風2号の影響による豪雨で、朝霞第2中の横を流れる黒目川が増水し、中学敷地内にも川の水が流れ込み、プール下の約1メートルの空間は流入した川の水でいっぱいになったという。滝田真人教頭は「発見された白骨は一部が泥に埋もれていたようです。いつからプールの下に放置されていたのか。詳しいことは分かりませんが、警察にお任せしたいと思います」と話した。

プールに通じる扉と学校の門扉は無施錠だった。中学校には水泳部はなく、授業と夏休み期間に市民に開放される。昨年は市内の中学校の大会が開催されたが、今年は大会開催予定は組まれていない。

プールのバルブは毎年6月上旬に開き、6月下旬から7月上旬には締めている。白骨遺体のみつかったバルブ付近には昨年7月から今年6月7日昼に排水管のバルブを緩めるまで学校関係者は誰も付近に立ち入っていなかった。

授業で使うための水張りを行っている途中で、今のところ、授業でプールは使用する予定。生徒には26日の朝礼で説明するとしている。土橋校長は「プールの中には遺体が入っていたということはないようですが、子どもらが動揺しないように分かる範囲のことは正直に話したいと思っています」と話した。【寺沢卓】