将棋の最年少7冠、藤井聡太王位(竜王・名人・叡王・棋王・王将・棋聖=20)が佐々木大地七段(28)の挑戦を受ける、「伊藤園お~いお茶杯第64期王位戦7番勝負第2局」が13、14の両日、有馬温泉(神戸市北区)の老舗旅館「中の坊瑞苑(ずいえん)」で行われ、後手の藤井が98手で勝ち、開幕2連勝とした。王位4連覇まであと2勝とした。佐々木は初タイトル獲得を目指す。第3局は25、26日に北海道小樽市「料亭湯宿 銀鱗荘」で行われる。
藤井が佐々木のエース戦法を撃破した。最も得意とし、8連勝中だった「先手・相掛かり」。1日目、佐々木が相掛かりを選択すると、藤井は10手目に角道を開け、浮き飛車に構えた。相手の「秘策」に新たな対策を練ってきた。
序盤戦について「手が広く、持久戦になる展開もあるのかなと思っていたが、積極的に動いてこられ、どう対応するか難しかった」と振り返った。
1日目から前例を外れ、互いに長考合戦。2日目に抜け出したのは藤井だった。5段目に飛車と馬を配置して攻撃的な布陣からジリジリとリードを広げ、終盤に大駒の角を敵陣深くに打ち込んだ。最後は鮮やかに相手玉を寄せきった。
「5筋の歩を突いていったことで、こちらの陣形もキズを抱えながらの戦いだった。ケアしながら指せればと思っていた」。リスクを覚悟しながら攻め続け、完勝した。「最後は一手勝ちの形になった」と話した。
佐々木との棋聖戦、王位のタイトル戦4局では、いずれも先手番が制しており、両者の過去8局でも先手番が勝利していた。佐々木とのタイトル戦で初めて先手番をブレークし、流れを引き寄せた。
豊臣秀吉がこよなく愛した有馬温泉での「名湯対局」は、これで4戦4勝。4連覇へ王手をかける棋聖戦5番勝負第4局に中3日で臨む。前人未到の全8冠制覇には王位、棋聖の死守が絶対条件だ。名湯で疲れを癒やし、天下統一へ突き進む。【松浦隆司】

