岸田文雄首相は4日、官邸内で記者会見を行い、24年秋に現行の健康保険証を廃止してマイナンバーカードと一本化したマイナ保険証に移行させることについて「健康保険証の廃止時期の見直しありきではない」と来年秋廃止の方針は堅持しつつ、秋までに「マイナンバー情報総点検本部」による点検、修正作業を見定める方針も示し、明確な言及を避けた。

マイナ保険証を保有していない人全員に保険証に代わる「資格確認書」を交付し、有効期限を5年に延長し、更新は各保険者が期間内に決めるとした。保険証でもマイナ保険証でもない、新たな「資格確認書」に対応する予算も必要になり、実務を担う自治体の窓口での混乱も予想される。

マイナカードのトラブルが相次いでいることについては、岸田氏は「これまでの普及の進め方に瑕疵(かし)があったとは考えていない」と強調した。

また外務政務官を辞任した自民党の秋本真利衆院議員について「国民の疑念を招くような事態となり大変遺憾だ」とした。早ければ今月中旬すぎから9月上旬にも想定される内閣改造人事や衆院解散については「今の時点で何も決めていない」とした。【大上悟】