米ハワイ・マウイ島で8日に大規模な山火事が発生し、地元当局は10日(日本時間11日夕)、これまでに少なくとも55人の死亡を確認したと発表した。特に島西部にある古都の観光地ラハイナは大半が焼失し、壊滅状態となった。負傷者や行方不明者数は把握できておらず、被害は拡大する見通しだ。バイデン大統領は、ハワイ州に大規模災害を宣言した。

現地メディアなどによると、10日時点までで、数千人が避難し、ほかに観光客ら少なくとも1万人以上が島外に避難。グリーン知事は被害に遭った建物は千数百棟に上るだろうと指摘し、1万人以上が停電に見舞われ、数千人が携帯電話が使えないとの情報もある。

出火原因は分かっていないが、火は太平洋のハリケーンからの強風にあおられて、瞬く間に市街地に迫り、焼き尽くした。甚大な被害状況を、メディアなどは異口同音に「まるで爆弾が爆発したよう」「戦場のよう」などと表現している。多くの人が準備する時間がなかったため、最低限の持ち物だけで全力で走るなどして避難したという。車で逃げたものの、火に包まれて乗り捨てた人もいた。炎や煙から逃れるために海に飛び込んだ人も多く、沿岸警備隊が出動して14人を救助した。一部では港に停泊していた船も燃えたという。19世紀初頭にカメハメハ大王がハワイ王国の首都を置き、捕鯨などで長く栄えた古都だが、史跡なども被害に遭っている。

現時点で米国の山火事では、18年にカリフォルニア州北部で85人が死亡した時に次ぐ犠牲者数となった。現地では州兵も動員して消火や救助活動に全力を挙げているが、同島のほかの地域でも火事が続いており、10日時点で完全な鎮火はできていない。隣のハワイ島でも山火事が発生している。