東京・歌舞伎町の大久保公園周辺で、売春目的で客待ちしたとして、警視庁は3日、売春防止法違反の疑いで1~9月に、20~46歳の女性80人を現行犯逮捕したと発表した。約7割が20代で約9割が初犯だったという。警視庁は取り締まりを強化しているが、公園の周辺には“立ちんぼ女子”の姿が変わらずあった。

ネオン街を抜けた一角。大久保公園の周辺で客を待つ女性らの姿は、SNS上で拡散されるなど、社会問題になっていた。有名なスポットとして知られ、都外からも人が集まった。辺りには笑顔で手を振るアジア系の女性や、座り込む女性に声をかけ“買おう”としている男性も見られた。

スマホを片手に客を待つ女性らに話を聞いた。ワンピースを着て長い髪をきれいに整えている女性は18歳だった。「相手と交渉次第だけど1日10万ぐらい稼げる。5人くらい相手にする日もあるかな」。稼いだ金はホストに貢いでいるという。女性は千葉県出身というが、歌舞伎町でホテル暮らしを続けている。大学も辞めたという。黒のミニスカートをはいた女性(22)は「ギャンブルにはまって借金があって」と語り、「最高で200万。あと100万円くらい返さないといけない」と危険な場所に身を置く理由を口にした。

警視庁は、9月に逮捕した女性35人の内、生活困窮などを理由に法的機関の福祉支援を希望する者に対して面談を実施。4人を自治体の福祉事務所に引き継いだ。歌舞伎町周辺の飲食店に関しても対策を強化した。9月22日にキャバクラやホストクラブの社交飲食店など、計110店舗に対して一斉立ち入りを実施した。売掛金回収に関するトラブル防止に向けたチラシを配布し、注意喚起を行ったという。