第19回アジア大会(9月23日~10月3日、中国・杭州)の囲碁男子団体戦で銅メダルで輝いた一力遼棋聖・本因坊(26)と井山裕太王座・碁聖(34)が新型コロナウイルスに感染した。このため、所属先の日本棋院は5日、両者が対戦する予定だった「阿含・桐山杯第30期全日本早碁オープン戦決勝戦」(7日、京都市「阿含宗総本山・釈迦山大菩提寺」)を延期すると発表した。2人は4日、東京・羽田空港への帰国後のPCR検査で陽性と判定された。なお、今後の決勝開催日については未定。同院によると、タイトル戦が対局者のコロナ感染によって延期になった例はないという。

団体戦でチームを組んだ関航太郎天元(21)と芝野虎丸名人・十段(23)佐田篤史七段(27)、女子団体戦メンバーの上野愛咲美女流名人・女流立葵杯(22)藤沢里菜女流本因坊(25)と、上野の妹の上野梨紗二段(17)は発症していないという。

一力は10日、愛知県岡崎市「龍城神社」で開幕する第49期天元戦5番勝負で関天元と対戦する。こちらは予定通り行われる。このほか、芝野名人が挑戦者の井山に3連勝して迎える第48期名人戦7番勝負第4局(12、13日、大阪府守口市「ホテルアゴーラ大阪守口」)、上野梨が女流タイトル戦初の挑戦者として藤沢と激突する第42期女流本因坊戦5番勝負第1局(12日、岩手県花巻市「佳松園」)も現時点で予定通り開催するとしている。