藤井聡太竜王(名人・王位・叡王・棋王・王将・棋聖=21)が3連覇をかけて、タイトル戦初登場で同学年である伊藤匠七段(20)の挑戦を受ける、将棋の第36期竜王戦7番勝負第1局が6日、東京・渋谷「セルリアンタワー能楽堂」で開幕した。午前9時から始まった対局は、午後6時すぎに先手の伊藤が51手目を封じ、初日を終えた。

初めて経験する封じ手を伊藤は難なくこなした。自らが封筒に署名し、藤井の署名を求める。それを受け取ると、「お願いします」と言葉を発し、立会人の佐藤康光九段に手渡した。初めてタイトル戦で着用した和服も、先月半ばに都内の呉服店で着付けを練習するなどして、大舞台に向けた準備をしていた。

対局場に入室した直後こそ、緊張の面持ちだった。対局の進行とともに盤に集中した。相掛かりの出だしから初日午前中は40手以上も進むハイペース。お互いに攻め合い、局面は終盤にさしかかっている。持ち時間各8時間のうち、2人合わせて1時間も消費していない。研究手順なのか、さほど時間も使わずに指す。午後0時30分から1時間の昼食休憩前後からはペースが落ち、封じ手までお互いに長考となった。

後手の藤井はタイトル戦19戦目とあって、手慣れたもの。前期竜王戦のクラウドファンディング返礼品として贈呈された、青の羽織に袖を通していた。裏地には竜をあしらった絵柄が入っている特製だ。封じ手の記入のため、別室に入った伊藤を待つ間、天井を見つめて腕組みするなど、余裕が感じられた。

お互いの大駒が敵陣をにらみ、今後の方向性や決断が迫られる局面での封じ手。2日目の7日は、伊藤の指し手が開封されて午前9時から対局が再開される。【赤塚辰浩】

【動画】竜王戦七番勝負第一局1日目は伊藤匠七段が51手目を封じる