埼玉県の自民党県議団が、小学生3年生以下の子どもを自宅や車に残して外出することなどが虐待に当たるとして禁じた虐待禁止条例の改正案を県議会に提出し、13日に本会議採決が予定されていることに、反対の声が相次いでいる。自民党は最大会派で採決されれば可決の見通しだが、採決に反対するオンライン署名には9日夜までに、8万人近くが賛同。SNS上でも「埼玉県虐待禁止条例」がトレンドワードになるなど関心が集まっている。

そんな中、県議団の「身内」でもある自民党の国会議員からも、厳しい意見が出始めた。13日の採決を思いとどまらせようとする動きも浮上しているようだ。

埼玉5区選出の自民党の牧原秀樹衆院議員は自身のX(旧ツイッター)を更新し、「これだけの反対の声がある中強引に進めるのは私は断固反対です」と投稿。「県議会の方は報告したような認識でこれを機として子育て見守り支援の強化をしたいと考えてるとのことで13日にも採決の構えです。諦めずに何とかいったん引き下げるよう働きかけます」と記した。9日には「明日何らかのご報告することもあるかと思います」と、投稿。10日以降、新たな動きが出る可能性を示唆した。また文科相経験者の柴山昌彦衆院議員(埼玉8区)も9日までに、Xに「国会議員たちには寝耳に水でした。早急に善処を求めていきます」と投稿した。

自民党県議団は条例改正案について、全国で車や自宅に児童が放置されて死亡する事案が相次ぐ中、それを防ぐことを目的に、「児童を住居、その他の場所に残したまま外出することその他の放置をしてはならない」としている。小学生だけで公園で遊びに行ったり、児童が1人でおつかいに行くなどの行為も禁じられ、罰則はないが、近所の人が発見した場合の通報義務が課せられる。6日の県福祉保健医療委員会で可決されており、本会議でも可決されれば来年4月1日施行される。

SNS上には「共働きで子育てをすることを想定すれば現実的ではないことなんて容易に分かるだろう」と、対象事例を非現実的とする声が多い。さいたま市PTA協議会は9日、自民党県議団の田村琢実団長に面会し「子どもの最善の利益を反映したものとは考えられない」などとする内容の、条例案への反対意見書を手渡したことを明らかにした。【中山知子】