将棋で史上初の8大タイトル独占を果たした藤井聡太8冠(21=竜王・名人・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖)が3連覇を目指して同学年の伊藤匠(たくみ)七段(21)の挑戦を受ける、第36期竜王戦7番勝負第2局が17日、京都市の世界遺産「総本山仁和寺」で行われる。8冠達成後の初対局となる。保持した8冠の防衛戦を続けながら、前人未到の道を歩む新たな「藤井伝説」が始まる。
藤井が偉業を成し遂げた地・京都に4日ぶりに凱旋(がいせん)した。16日、伊藤とともに対局会場での前日検分後、京都市内のホテルで行われた前夜祭に出席した。関係者やファンら約500人が参加した。
客席の合間を縫って壇上へ向かう藤井には各所から「8冠、おめでとうございます」と言葉が飛んだ。決意表明では伊藤からも「藤井竜王は先日、8冠を達成され、本当におめでとうございます」。意表を突く“祝辞”に会場は笑いに包まれ、藤井も表情を緩めた。
偉業後はハードスケジュールが続くが、藤井は「ここ数日は本局に向けて、取り組むことができた」と話した。「強くなりたい」。8冠達成後も、さらなる高みを目指すことに変わりはない。「これまで以上に高いレベルの将棋の内容が要求される」。同学年の伊藤は攻守両面でバランスがある好敵手だ。第1局はタイトル戦初陣となった先手の伊藤が得意の相掛かりを選択。圧倒した藤井に油断はない。
20年の初タイトル獲得以降、18度のタイトル戦では1度も敗退することなく18連勝。次の記録は昭和のレジェンド・故大山康晴15世名人のタイトル戦19連勝の大記録がある。竜王戦で3連覇すれば、大山に肩を並べる。全冠保持の期間で「羽生超え」も視野に入れる。竜王戦は持ち時間各8時間の2日制。第2局の先手番となる藤井は「1手1手をしっかり考えて、将棋の奥深さ感じたい」。21歳の第2幕が始まる。【松浦隆司】

