藤井聡太竜王(名人・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖=21)が4連勝して一気に3連覇を果たすか。タイトル戦初登場ながら、早くもかど番の伊藤匠七段(21)が一矢報いるか。将棋の第36期竜王戦7番勝負第4局が10日午前9時からの2日制で北海道小樽市「料亭湯宿 銀鱗荘」で始まった。事前に先手後手は決まっており、先手は藤井、後手は伊藤。お互いに飛車先の歩を突くと、藤井のエース戦法「角換わり」となった。

藤井と同学年の後手伊藤は今期、トップの1組から最下級の6組まであるランキング戦のうちの5組で優勝。決勝トーナメントでは出口若武六段、大石直嗣七段、広瀬章人八段、丸山忠久九段、稲葉陽八段と撃破、挑決で当時王座を保持していた永瀬拓矢九段を倒し、12連勝で「竜王戦ドリーム」を実現させた。

過去4組優勝から挑戦権を獲得した例は1997年(平9=第10期)の真田圭一、98年(第11期)藤井猛、04年(第17期)渡辺明といるが、5組からは初の快挙だ。

現在3連敗でかど番と部が悪いが、将棋界では過去3連敗4連勝も2例ある。2008年(平20)の第21期竜王戦で渡辺明竜王(当時)が羽生善治現九段、09年の第50期王位戦で深浦康市王位(当時)が木村一基現九段を相手に大逆転劇を演じている。その再現なるか。

【動画】対局開始 先手の藤井聡太竜王、まずお茶を一口飲んで2六歩