将棋8冠独占の歴史的1年を優勝で締めた。
藤井聡太8冠(21)が24日、都内で行われた「SUNTORY 将棋オールスター 東西対抗戦2023」に出場。西軍ファン投票1位として、準公式戦となる団体戦に臨んだ。21年の第1回から3年連続3回目の出場で初めて、羽生善治九段(53)との対局が「大将戦」で実現。今年最後の対局を激しい攻め合いの末に制して勝利をもたらし、4勝2敗で西軍を2年ぶり2回目の優勝に導いた。
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詰めかけた約1000人のファンが「ワアッ」と歓声を上げた。タイトル戦負けなし19連勝の全冠保持者である藤井が、将棋界歴代1位となるタイトル獲得通算99期のレジェンド羽生を下した瞬間だった。
日本将棋連盟の棋士が東西に分かれ、選ばれた各6人が1手30秒で戦う準公式戦の団体戦。東西の両軍ともに譲らず、2勝2敗で第6局を迎えた。第5局の増田康宏七段(26)対山崎隆之八段(42)とほぼ同時にスタートしたゴールデンカードは、激しい攻め合いになった。得意の終盤力を発揮した藤井が、第5局よりも先に決着をつけた。「思っていた以上に激しい展開で、判断のつかない局面が多かった」。3年前からタイトルホルダーとして常にトップレベルでの戦いを経験。そんなキャリアを生かして、寄せきった。
23日の前日会見で、西軍はじゃんけんでオーダーを決めたと明らかにした。藤井は3番目に勝ち、何番手で名前を入れるか迷った末、第6局を選んだ。「狙っていたわけではありません。羽生九段と対戦することができて幸運だなと思っています」と、ずっと笑顔で話していた。
2年前に初めてこのイベントが開催された時、羽生と2人で初めて大盤解説会で共演した。夢のような演出だった。昨年は、羽生が王将戦の挑戦権を獲得した直後の開催。オールスターの2週間後には藤井王将との7番勝負を控えているということもあり、2人の共演はなかった。
今回はファンが最も望む形での「競演」。これこそ、「将棋ファンの皆さまに喜んでいただく棋戦」の代名詞だろう。チームの名誉を背負って戦い、「納めの一番」を勝利で終えた。
「イベントが年々盛り上がっていますし、皆さんの熱気を感じます。チームも優勝できてうれしく思います」。「供宴」のフィナーレとなる表彰式で、豊島と優勝賞金600万円のボードを手にした。
年が明けたら、西軍でともに優勝した菅井竜也八段(31)と敵味方に分かれ、王将戦7番勝負でタイトルを争う。タイトル戦20戦負けなしという、将棋界の新記録もかかる。団体戦Vを原動力に、気持ちを切り替えて新年を迎える。【赤塚辰浩】

