日本航空広報部は3日午後、前日2日に、新千歳空港発、羽田空港着のJL516便が羽田空港に着陸後、海上保安庁の航空機と衝突し、機体が炎上した件について国土交通相で記者会見して新たに詳細情報を発表した。

同社広報部長の沼畑康夫氏は「お亡くなりになられた海上保安庁の関係者の方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。当社便にご搭乗されていたお客さま、乗員は全員脱出したことを確認しております。会社としても重く受け止めております。事故原因の究明を最大限努力している」と説明した。

事故発生日時は2日午後5時47分頃、東京・羽田空港C滑走路上でJL516便(新千歳空港発・羽田空港着)が海上保安庁の航空機と衝突。搭乗者数は乗客数359人と幼児8人で計367人、乗務員数は運航乗務員3人と客室乗務員9人の計12人だった。現時点で同社が把握している搭乗者の状況は打撲1人、捻挫が1人、体調不良によるクリニック受診者13人。機体の状況は「全損」としている。

沼田広報部長によると、当該機は、2日午後4時15分に新千歳空港を出発し順調に飛行。羽田空港C滑走路に午後5時47分に着陸した直後、海上保安庁の航空機と衝突し、機体が炎上した。

同部長は全員脱出できた要因について「(乗務員が)ドアをいくつ開けたのか。機内のアナウンスが行われなかったとか、パイロットはどのように避難したのか、分かっていないが、私が今申し上げられるのは、毎年毎年、乗務員が救難訓練をブラッシュアップして行っている。それの成果がでたと思っています」と述べた。

日本航空では1年に1度航空機に搭乗する全ての職員が一日業務を離れて訓練する機会を設けているという。その上で沼畑部長は「最後に脱出した人が18時5分、着陸が17時47分。時間が確認できているのはこの2点だけ」とし、着陸から18分の間に乗客乗員379人全員が避難できたことを明かした。

事故で全損となったエアバスA350の非常ドアは全部で8カ所あるが、同社では乗員乗客がどのドアを使って避難したか、詳細について現在調査中だという。

また、乗客の帰宅費用、手荷物の補償金についても「ひとりひとり丁寧に対応しています。(補償金の)個別の金額は控えさせていただいています」と述べた。