俳優石原良純(61)と元テレビ朝日社員の玉川徹氏(60)が8日放送されたテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」で、羽田空港で起きた日航機と海上保安庁機の衝突炎上事故をめぐり、今後の羽田空港の安全性について、正反対の意見を主張し合い、激論となる場面があった。
事故発生後、閉鎖されていた羽田空港C滑走路は8日に再開され、本格的な運用が始まったが、一方で、事故原因については今も調査が続いている。
玉川氏は「いまだに『なぜ?』というところがはっきりしていないところで、運用が始まった。やっぱり怖いですよ。僕はこれからも、離発着で羽田空港を使いますから」と、今も不安がぬぐえない心境を吐露。「(事故原因が)分からないまま元に戻っていいのかなと思うし、早く原因を突き止めて、ヒューマンエラーなのか、機械に何らかの問題があったのかもしれないし。それを突き止めて対策してバックアップしてもらわないと怖い。たぶん視聴者の方々も怖いと思いますよ」と指摘した。
これに対し、石原は「僕なんか、これで飛行機が怖いなんて、みじんも思わないよ」「昨日も乗ったし、今日もこれから乗るし」と主張したが、玉川氏は「いや、僕は怖いですね」と反論。「僕は来週、羽田から飛ぶけれど、(今回の事故は)絶対に起きてはいけないこと。例えば飛行機が空を飛んでいる時に機械の故障で墜落したなら機械側の問題だが、今回に関しては、もしかしたらそういうこと(滑走路上での衝突)が起きるかもしれないが、ずっと起きていなくて結局今回、起きた(可能性がある)。5名が亡くなっている」と主張。「JALに乗っていた方が全員無事だったのは不幸中の幸いで、少しでも間違っていたらそこも分からなかった。一刻も早く原因を突き止めてもらわないと、と思うのは僕だけではないはず」と述べた。
これに対し石原は「それは過剰反応と、はっきり思っている」と反論。「僕は年間に200フライトくらいしていて、滑走路上に飛行機が侵入しているのでタッチ・アンド・ゴーでもう1回離陸したことが、1回あるのかな」と振り返り「車が曲がりきれずにぶつかるのもある。飛行機はそんなことはならないですが(今回のように)なるんですよ。だから、飛行機事故はたまに耳にする。過度に恐れる必要はない」と持論を述べた。
石原の意見に対し、MCのフリーアナウンサー羽鳥慎一は「でも普通、見たら怖いと思いますよ。だからどう防ぐかは別の問題で…」と述べ、専門家の立場で解説していた元航空管制官の田中秀和氏に「専門家の方が検証するのは必要ですが、これを見て、いや大丈夫でしょとは、ちょっと思えない」と、不安まじりに意見を求めた。
田中氏は「(良純と玉川氏)どちらのご意見も不正解ではなく正解だと思う」とした上で「やはり絶対に起こしてはいけないし、人が亡くなる事故なんて、あってはならない。そこについては、しっかり(原因を)見極める必要がある。すぐにできることを、やれることからやっていく必要があると思うが、バランスの問題」と述べた。「今、この瞬間も(航空業界を)支えている人たちが一生懸命頑張っている。犯人捜しや否定的な意見、勝手に皆さんが思いつく再発防止策を適当に述べるのではなく、航空業界頑張ってくれと、今こそ声をあげてほしい」と切実な思いを口にした。
また「一般の国民の方からすると、とんでもない事故が起きた。我々、業界の人間でもなぜ起きたか分からない。もちろんその通りですが、今までは防いできた。それは、どうか信頼していただきたい」「99%以上の確率で、プロフェッショナルたちが安全のために頑張って、実績を残している。今いちばん必要なのは、現場で働く方々にいつも通りの業務を行って頂くこと。どうか実績の方を信頼して頂き、今回起きてしまったこの1件については、十分な調査と再発防止策が必要と思う」と訴えた。